Hello, World!

この本は途中まで、または一通りC言語を学んだことを前提としています。
何もプログラミングについて知らないという方は、入門者向けの文書を読むと嬉しいことが多いと思います。

環境構築

C言語のソースコードの実行環境を作っていきましょう。
もう既にできている人は飛ばしてください。

ここでは、Windows×VSCodeの例を示します。
Windowsでは、おそらくWSL上にC言語の環境を作るのが最も簡単で便利でしょう。
WSLを使いたくないという人は、別の方法を参照してください。
(ですが、解説の途中でobjdumpのようなWindows(非WSL)で使えないツールを用いて説明することがあります)

WSLで環境構築

  1. PowerShellを管理者権限で起動

    PowerShellを管理者権限で起動(Win+X -> A)し、コンソール内で以下を実行します。

    wsl --install
    

これで自動的にUbuntuがインストールされます。

  1. Ubuntuの起動
    WSLのインストールが完了したら、次のコマンドでUbuntuを起動します。

    ubuntu
    

  1. パッケージのアップデートとClangのインストール
    初期設定が完了したら、以下を実行してシステムを最新状態にし、Clangをインストールします。

    sudo apt update && sudo apt upgrade
    sudo apt install clang
    

  1. VSCodeのセットアップ
    WSLを閉じ、VSCodeを起動します。次に以下の拡張機能をインストールしてください。

    • WSL
    • C/C++ Extension Pack

    左下の「リモートウィンドウを開きます」->「WSL への接続」でVSCodeからWSLへ接続してください。

次へ: コンパイル

別の方法

  1. コンパイラのダウンロード
    このリンクから、あなたの使っているCPUのアーキテクチャ()と同じものをダウンロードしてください。

    (: Windows11だと、設定の システム > バージョン情報システムの種類からCPUのアーキテクチャの種類を確認できます)

Warning

最近の大抵のWindowsマシンはx86-64なので、このページから、llvm-mingw-yyyymmdd-ucrt-x86_64.zip をダウンロードしてください。


  1. ファイルの解凍・配置
    ダウンロードが終わったら、圧縮ファイルを解凍し、任意のフォルダ(e.g. C:\llvm-mingw)に移動させてください。

  2. 環境変数の設定
    次に、エクスプローラー上で、そのフォルダの中にあるbinフォルダを含めたパスを環境変数に追加してください。(e.g. C:\llvm-mingw\bin)

    (: 分からない場合は調べてみてください。色んなサイトを漁ってみることも時には重要ですよ!)

  3. 確認
    コマンドプロンプト上で、以下を実行後、clangが起動されることを確認してください。

    clang
    

  1. VSCodeのセットアップ
    VSCodeを開いて、拡張機能のC/C++ Extension Packをインストールしてください。

コンパイル

VSCodeのエクスプローラーから、C言語のソースコードを置きたいフォルダを開きます。
新しいファイルhello.cを作成し、以下の内容を入力してください。

#include <stdio.h>

int main() {
    // "Hello, World!"を改行付きで表示
    printf("Hello, World!\n"); 
    return 0;
}

VSCodeのターミナルを開き、以下を実行してHello, World!と表示されたら成功です。

clang ./hello.c -o hello.exe

次は、本格的にあなたが少し知っているC言語が、「いったい何をしているのか」 というところを学んでいきましょう。